ガロアムシについて 分布 生息環境 生態(生活史) 生態(産卵〜孵化)
形態 採集法 飼育 引用文献
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ガロアムシの飼育
※ 以下の飼育法は自分の飼育経験を基にまとめたもので、ベストな飼育法という訳ではありません。
今後も効率的な飼育を目指して改良していきたいと思います。
これを参考にした飼育で万一生体が死に至った場合、責任は持ちません。


<飼育容器>
食品を保存するタッパー容器を使用。
(気密性の高いものを選び、透明度の高い材質だと観察しやすい。)
安定した湿度を保つことはできるが、数日経過すると上蓋に結露し、底側が乾燥するので、その場合は軽く霧吹きする。
ただし、湿らせすぎると調子を悪くするので注意。
エゾガロアムシ Arctigalloisiana yezoensis
採集日:2011年09月12日
採集場所:○○町△△ ××川支流
幼虫(体長5mm)

容器に、採集日・採集地・採集時の体長などの情報をラベルに記して貼っておくと、管理しやすい。
※ 共食いするため、複数での飼育はなるべく避け、1個体ごとに分けて飼育する。
  繁殖目的の場合は、交尾確認後、速やかに隔離する。



<保管>
ガロアムシは高温に弱いので、低温を維持できる設備が必要。
一般の冷蔵庫を使用。
10〜15℃を維持できる設備が理想的。

常に温度確認できるように温度計を設置。

照明の必要なし。

注:冷蔵庫は場所によって温度にムラがあるので設置場所に注意。




<床材>
容器の底に軽く湿らせたキッチンペーパーを敷き、その上に採集地で採取した礫(小石)や土(粘土質)を数個、隙間ができるよう重ねて配置。
暗い環境でもガロアムシは狭い場所に潜む傾向にあるため、礫(小石)や苔を配置することで、落ち着きストレスにならない。また幼虫の脱皮の際の足掛かりともなるので重要。
多湿な環境のため、カビが発生しやすいので、少し汚れたら速やかに交換する。

湿らせたティッシュペーパーを軽く丸めたものを配置すると、雌はそこに産卵する。

<レイアウト例>



<給餌>
1〜2日で食べきれる量を直接床材に接しないように皿や紙に載せて与える。
10日に一回程度の給餌で問題はない。

「冷凍アカムシ」 ペットショップなど熱帯魚を扱っている店舗で購入できる。長期冷凍保存可能。
食いつきが良く、ほとんどの個体が食べる最適の餌。
栄養面にやや不安ありだが、長期間飼育できているので問題ないだろう。


給餌直後

給餌1日後

冷凍アカムシを食べる成虫

「小昆虫」 ハエやカ、蛾などの軟らかい小昆虫を弱らせるか、殺して与えると食べる。
鮮度が落ちると食いが落ちることがある。寄生虫がいる危険あり。
「生息地の小虫」 ナガコムシ・カニムシなどはガロアムシが現地で捕食していると思われ、生餌としても使えるが、弱々しい虫なので採集・移送が難しい。
「小グモ」 小昆虫同様、与えると食べるが、殺して与えないと逆に捕食されてしまう危険があるので要注意。寄生虫がいる危険あり。
「活イトメ」 ほどほどに食べる。栄養価が高いと思われる。
熱帯魚店で購入できるが、扱っていない店舗もある。
生餌のため、長期間の維持が難しい。
ちなみに「冷凍イトメ」はほとんど食べなかった。
「ミミズ」 ほとんどの個体はあまり食べないが、中には食べる個体もいる。
2cmほどの小さなミミズを使うか、適度な長さに切って与える。
購入した活イトメの中に良いサイズのものがよく混入している。
栄養価が高いので、産卵前の雌に良いかもしれない。
「昆虫の幼虫」 ハエの幼虫、アリやシロアリの幼虫などがあるが、アリの幼虫は蟻酸が付着しているのか食べないことが多い。
ミルワームは硬いためか好んで食べない。
「配合餌」 熱帯魚の餌やカメの餌など、いろいろなタイプを試したが好まない。
食べる個体もいるが、食べ残すことが多い。
「肉類加工食品」 ソーセージなどの加工食品には保存料が添加されているので、餌としては適さない。
添加物無添加でも塩分が含まれているので、頻繁に与える事は好ましくない。
「さなぎ粉」 釣具屋で販売されている釣り餌で、カイコの蛹を粉末にしたもの。
昆虫採集方法のひとつであるPTの誘引剤としても使用されるが、市販のものは保存料が添加されているため、飼育用餌としてはNG。




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