北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

ウスイロオナガシジミ
Antigius butleri

シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科
分布
北海道・本州・九州(鹿児島県の一部)
開張 26〜31mm
環境省レッドリスト 九州亜種は絶滅危惧IA類(CR)
北海道RDB
備考
撮影日
2010/7/15
撮影または採集地 小樽市

<特徴・生態>
平地〜山地の広葉樹林に生息。
翅表面は暗灰色で、後翅外縁付近に灰色の斑紋が並ぶ。
翅裏面は灰白色で、暗灰色の斑紋があり、外縁の尾状突起付け根の付近に橙色斑紋がある。

成虫は7〜8月に発生し、主に夕方に活動する。

産卵はカシワやミズナラの樹皮の裂け目や窪みに卵塊で産み付けられ、卵は白色で丸くて深い窪みが頂点を囲むようにきれいに並ぶ。
春に孵化し、幼虫はカシワやミズナラの若葉を食べて成長する。


尾状突起は他のゼフィルスと比べて若干長い程度で、和名にするほどではないと思うが、他に目立った特徴がないから仕方がないのかもしれない。
早朝にも活動するらしいが、撮影時(早朝)には活動している個体はいなかったので、カシワの枝を叩いて、飛び出した個体を撮影した。


表面


裏面


<越冬卵>

カシワの枝の窪みに産卵


カシワの枝の窪みに産卵

カシワの枝の窪みに産卵

<越冬卵について>
探索難易度 ★★★★★★
魅力度 ★★★★★
卵の特徴 白色で、凸凹の差が顕著なゴルフボールのような饅頭型。
食樹 ミズナラ・カシワ、コナラ
高さ 中位置
産卵場所 枝上のめくれた樹皮裏や裂け目の奥に隠すように1個〜複数産み付ける。
枝は先端の細枝より、裂け目や窪みが多い太い枝を好む。
備考 成虫の個体数は多いが、産卵範囲が広く、隠すように産卵するため卵を探すのが難しい。
枝の裂け目は狭くて深い場所に多い。
卵は、産卵面との貼り付きが弱いのか、簡単に剥がれやすいので取り扱い注意。


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