北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Cirrodrilus sp. 環形動物門 ミミズ綱 ヒルミミズ目 ヒルミミズ科 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
<特徴・生態> ザリガニに付着生活をしているので「ザリガニミミズ」と呼ばれている。 体の先端にある円状の吸盤でザリガニの甲羅に付着しており、体内や皮膚(関節の軟らかい部分)に食い込んでいるわけではないので、ヒルのように体液を吸ったりする「寄生」ではないらしい。 おそらく水中に漂う有機物などを効率的に得るために、移動手段としてザリガニに付着している「片利共生」と思われる。 オサムシやシデムシに付いている(便乗)ダニみたいなものだろうか。 ヒルミミズ類は地域ごとに固有性が高く、北海道と東北では形態が全く異なることから、ニホンザリガニの分布由来の重要な解析要因となる。 現在ニホンザリガニ由来の13種が記載されており、全てが日本固有種で環境省のRDBで絶滅危惧種に選定されている。 ※ 宿主のニホンザリガニも絶滅危惧U類(VU) 現在外来種のウチダザリガニから外来種のヒルミミズも確認されている。 矢印の部分に付着している。 水中では、ゆらゆらと活発に体を揺らしている。 |
アオモリザリガニミミズ | Cirrodrilus aomorensis | 青森県 | 絶滅危惧U類(VU) |
カムリザリガニミミズ | Cirrodrilus cirratus | 北海道・日光(移入) | 絶滅危惧U類(VU) |
エゾザリガニミミズ | Cirrodrilus ezoensis | 北海道・日光(移入) | 絶滅危惧U類(VU) |
ホソザリガニミミズ | Cirrodrilus homodontus | 絶滅危惧U類(VU) | |
イヌカイザリガニミミズ | Cirrodrilus inukaii | 北海道・秋田県(移入)・日光(移入) | 絶滅危惧U類(VU) |
ヒメザリガニミミズ | Cirrodrilus makinoi | 絶滅危惧U類(VU) | |
オオアゴザリガニミミズ | Cirrodrilus megalodentatus | 絶滅危惧U類(VU) | |
ニッポンザリガニミミズ | Cirrodrilus nipponicus | 絶滅危惧U類(VU) | |
ザリガニミミズ | Cirrodrilus sapporensis | 絶滅危惧U類(VU) | |
ツガルザリガニミミズ | Cirrodrilus tsugarensis | 青森県 | 絶滅危惧T類(CR+EN) |
ウチダザリガニミミズ | Cirrodrilus uchidai | 北海道・秋田県(移入) | 絶滅危惧U類(VU) |
イワキザリガニミミズ | Cirrodrilus iwakiensis | 絶滅危惧U類(VU) | |
エビヤドリミミズ | Holtodrilus truncatus | 宿主はエビ類 |
伸縮するので正確ではないが体長2〜3mm程。 口節が漏斗状で著しく拡大し、胴部の6環節に薄板状の横立突起があり、その縁辺に8個の指状の突起を持つのが特徴。 写真の個体は、特徴からカムリザリガニミミズCirrodrilus cirratus ではないかと思われる。 撮影日:2009/4/19 捕獲場所:札幌市 |
|
ニホンザリガニに付着していたヒルミミズの一種(体長1.5mm程) 撮影日:2017/5/24 捕獲場所:鷹栖町 |
|
ウチダザリガニに付着していたヒルミミズの一種(体長2mm程) 外来種のシグナルヒルミミズ Sathodrilus attenuatus と思われる。 撮影日:2017/5/14 捕獲場所:旭川市 |