北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

アカダマスッポンタケ
Phallus hadriani

スッポンタケ科
分布
北海道
全高 約15cm
環境省レッドリスト 絶滅危惧IB類(EN)
北海道RDB
備考
撮影日
2009/10/13
撮影または採集地 石狩市

<特徴・生態>
海浜性のキノコで、ヨーロッパでは高緯度地域に分布している。
日本では過去に3例採集記録があるが、いずれも不確実で、日本には分布していないのではないかと思われていたが、最近、石狩浜で再発見された貴重種。
(2014年に斜里町、2015年に新潟県でも発見されている)
初夏と秋に発生し、石狩浜では第一砂丘のハマニンニクやコウボウムギの群落内で見つけることができる。

和名の由来の通りスッポンの頭部に似ており、菌蕾や根状菌糸束が濃い赤紫色を帯びるのが特徴。
近似種のスッポンタケ同様、先端部はグレバと呼ばれる粘液で覆われた胞子の集まりがあり、スッポンタケとは異なる独特の臭気(塩素臭)を放つ。
この臭いでハエを誘い、胞子を分散させるということらしい。


スッポンタケに似るが、本種は托の頂端が鈍頭で尖らない。


撮影日:2022/10/8
撮影場所:石狩市



撮影日:2022/10/8
撮影場所:石狩市


撮影日:2022/10/8
撮影場所:石狩市


砂を掘り起こすと、袋状の菌蕾が出てくる。
菌蕾や根状菌糸束が濃い赤紫色を帯びるらしいが、写真の個体はほとんど赤みを帯びていなかった。


枯れたハマニンニクの根部に菌糸束が絡み付いている。


確かに亀のスッポンに似ているが、学名(属名)は「ペ○ス」を意味する。


アカダマスッポンタケが発生する石狩浜(第一砂丘)
ハマニンニク、コウボウムギが優占種の草原で、草丈は低く、疎らな環境。

おそらく海浜性のキノコの研究が進んでくると、今後、他の海岸でも発見される可能性は高いと思われる。

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