北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

ベニザケ
Oncorhynchus nerka

サケ目 サケ科 サケ属
分布
北海道・本州
体長 約50cm
環境省レッドリスト 絶滅危惧IA類(CR)
北海道RDB 絶滅危機種 (Cr)
備考
撮影日
2010/10/7
撮影または採集地 千歳市

<特徴・生態>
北海道から北アメリカ西岸の北太平洋沿岸全域に分布。
日本で遡上するベニザケは択捉島が南限といわれている。
産卵期には雌雄共に頭部を除く全身が鮮明な赤色の婚姻色となるのが特徴で、和名の由来にもなっている。

ベニザケが遡上する河川上流には湖があることが必要で、海から遡上し、湖で数年生活し、7月下旬〜1月の産卵期になると湧水のある湖岸の浅みや更に遡上して産卵する。
成熟にかかる期間は4年程で、産卵後は雌雄共に死ぬ。
羽化した稚魚は湖で数年間過ごし、その後海へ下る。

陸封型はヒメマス(チップ)と呼ばれ、阿寒湖、チミケップ湖、支笏湖、中禅寺湖などが有名だが、産卵期にはベニザケほど鮮明な赤色とならない。(日本の原産は阿寒湖とチミケップ湖のみで、他は移植されたもの)
味はとても美味で、塩焼きや刺身にして食べる。

アイヌ語名は「カパッ・チェプ」(体の薄い魚の意味)


手前が雌、奥が雄。
雄は背が高く盛り上がり、口は大きく湾曲する。
撮影日:2010/10/7
撮影場所:千歳市



撮影日:2010/10/7
撮影場所:千歳市


雌が川底を掘り、すり鉢状の産卵床を作る。
撮影日:2010/10/7
撮影場所:千歳市


産卵床に雄がしばしばやって来るが、残念ながら産卵は見られなかった。
撮影日:2010/10/7
撮影場所:千歳市


10匹以上の本種が産卵のため群がっている姿を確認できた。雌が多かった。
撮影日:2010/10/6
撮影場所:千歳市


悠々と泳いでおり、水に入って近づいても驚いて逃げることはなかった。
撮影日:2010/10/6
撮影場所:千歳市


本種が遡上し産卵する河川
下流には湖があり、上流には湧水もある。

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