北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Salamandrella keyserlingii サンショウウオ科 |
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<特徴・生態> 平地の湿原に生息。 日本では北海道(釧路湿原・国後島)のみに分布。 日本に分布するサンショウウオの中で唯一日本固有種ではなく、サハリン、ロシア北東部、中国東北部、カザフスタンなどに広く分布する。 ハンノキやミズゴケ、ヤチボウズがある湿地に生息するが、海外では海岸砂丘や山地、森林にも生息している。 大陸と北海道が陸続きになった氷河期に大陸から渡ってきたといわれ、氷河期の遺存種(生き残り)とされている。 成体はエゾサンショウウオと比べて小型。 体色は暗褐色で、背面は太い黄色帯が入る。 腹面には青灰色の粉状の小斑点が散らばる。 後肢の指は4本。(エゾサンショウウオは5本) 北海道全域にはエゾサンショウウオが分布しているが、本種の生息地と分布が重ならない。 釧路湿原には天敵となるエゾサンショウウオが何故かいないため、なんとか生き残ったともいわれている。 産卵のため湿原内の池塘に集まってきた雄 撮影日:2014/4/29 撮影場所:釧路市 右は産卵直後、左は数日経過し成長した卵 卵嚢は2本で1対となり、コイル状またはバナナ状に湾曲するのが特徴。 新しい卵嚢は日光に当たるとサファイヤブルーに輝く。 産卵時期は4月下旬〜5月上旬 撮影日:2011/5/4 撮影場所:釧路市 |
成長した卵 湿原の水は泥炭質(タンニンなど)の影響でブラックウォーターとなっているため、時間が経った卵は赤褐色に染まってしまう。 撮影日:2009/5/9 撮影場所:釧路市 |
幼生 エゾサンショウウオと異なり、共食いをしないため「共食いモルフ」が発生せず、幼生はほぼ均一に成長し、成長も遅い。 |
全長6cm程の亜成体 |
亜成体 |
スゲ類が生い茂る産卵場所の池塘 |