北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Hynobius retardatus サンショウウオ科 |
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<特徴・生態> 平地から高地まで広く分布し、森林の止水がある場所や緩やかな流れの沢などの周辺に生息。 体色は暗褐色で、金色の粉状の小斑点が散らばる個体もいる。 繁殖期は、平地で4月上旬から5月上旬で、高山地だと7月になる場所もある。 雪解け水が集まる池、沼、湖の岸辺などの止水域に産卵。 普段は陸上生活なので見つけることは困難だが、繁殖期は水辺に集まるので、比較的見つけやすい。 水温が低い高地などでは、産まれた年に変態せず(成体にならない)、翌年に変態する個体もいる。このような幼生を越冬幼生という。 幼生は、オタマジャクシとは異なりエラがあり、完全肉食。 主に共食いをして成長するので狭い繁殖地の場合、成体になる個体は少ない。(共食いをした個体は急激に成長するので、生き残るためには共食いする方が有利といえる) 飼育観察はこちら 夜、産卵のために水辺に集まる。 撮影日:2012/4/12 撮影場所:札幌市 |
繁殖期♂ 全長18cm 撮影日:2009/4/7 撮影場所:札幌市 |
繁殖期♀ 抱卵しているため腹部がぷっくりと膨らんでいる。 撮影日:2009/4/7 撮影場所:札幌市 |
繁殖期♂側面 雌と比べて、ゴツゴツとした体型で、幅に厚みがあるのは、繁殖期の特徴。 |
繁殖期♀側面 横から見ると、平時と同様にスマートな体型をしている。 |
繁殖期♂頭部 繁殖期の雄は、エラが張るように頭部が発達する。 |
繁殖期♀頭部 |
雄の総排出口は周辺が膨らみ、前端に生殖結節が確認できる。 特に繁殖期は顕著。 |
雌の総排出口は、亀裂はあるが膨らみはない。 |
繁殖期♂尾部 繁殖期の雄は、尾が扁平し、幅広くなる。 雌を効率的に探し出すため、水中を泳ぐ機能を上げているのだろうか。 写真の個体で最大幅12mm |
繁殖期♂頭部正面 脊椎骨に沿った溝が著しく深くなっている。 |
卵は、白いゼリー質の卵嚢に覆われ螺旋状に巻いている。 卵嚢の先端部は、枝などに貼り付けて固定されている。 撮影日:2009/4/25 撮影場所:札幌市 |
こんな感じで卵が詰まっている。 |
撮影日:2010/5/4 撮影場所:札幌市 |
小さな沢で産卵 流水域でも稀に産卵することがある。 撮影日:2011/5/19 撮影場所:札幌市 |
孵化して間もない幼生。 3対の鰓と止水棲の特徴であるバランサー(鰓の前方にある糸状のもの)が1対ある。 バランサーの機能は詳しく分かっていないが、流されないように体勢を維持したり、垂直面などに付く際に落ちないように支える機能があるらしい。 |
上陸間近の大型越冬幼生(6〜7cm) 幼生期間が長いので(おそらく2期目)かなり成長しているが、ネオテニーではない。 撮影日:2006/7/13 撮影場所:札幌市 |