北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

アポイマイマイ
Paraegista apoiensis
オナジマイマイ科
分布
北海道
殻径 約10mm
環境省レッドリスト 絶滅危惧II類(VU)
北海道RDB
備考 北海道固有種
撮影日
2013/9/26
撮影または採集地 様似町

<特徴・生態>
低山地〜山地に生息。
かんらん岩や蛇紋岩を主とする露出した岩石帯が広がる特殊な環境を好む。
産地は極めて局地的で、様似町アポイ岳周辺のみに分布する。

殻は茶褐色。薄質で螺塔は低い。殻表には成長脈に沿って細かい毛列があるのが特徴。
近縁種で北海道南西部に分布するタカヒデマイマイがいるが、本種より大型で、殻毛の配列間隔は粗い。
本種の軟体は複足裏面を含め、タカヒデマイマイよりも黒みが強い。

生息環境から分解して軟らかくなった落ち葉を食べると思われる。


写真上の個体は成貝で、標高が50〜100mと高くはない山の斜面から探し出した。
特殊な生息環境であったが、成貝×3、幼貝×3を見つけることができ、似た環境に生息するタカヒデマイマイの探索経験が大いに役立った。
岩に付着している個体より、岩場付近の落ち葉下から見つかることが多かった。
死貝がほとんど見つからなかったので、個体数は多くないらしい。


殻表


岩の隙間にある落ち葉溜りで発見


落ち葉下で発見

成貝

殻径2mm程の稚貝


生息地のガレ場のある山の斜面


蛇紋岩地

産卵中(飼育下)

卵の色は白色で黄色を帯びない。
球形で直径は1.8〜2mmほど。


孵化直後の幼貝
殻径は1.5mmほどで、毛も確認できる。

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