北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Eocapnia sp. クロカワゲラ科 |
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<特徴・生態> 丘陵地〜山地に流れる沢付近の雪原でよく見かける。 石狩低地帯以西に分布。 北海道には現在、エゾユキクロカワゲラEocapnia yezoensis と他に近似種が2種、計3種が分布しているといわれる。 体色は全身黒色で、成虫になっても翅がないのが特徴。 12月、2〜4月に成虫が発生し、天気の良い日中に雪上を活発に歩き回わる。 -10〜+10℃位の温度範囲で活動するらしく、この範囲外になると生きていられないという。 春に産卵し、幼虫は冷たい渓流の中で成長後、冬に成虫となり上陸する。 雑食性で枯れ葉やトビムシやユスリカなどを食べるが、生きた個体を捕食するのかは不明。 カワゲラ類の多くは成虫になった時点で成熟しているため後食しないが、セッケイカワゲラ類は成虫になっても未成熟のため、成熟させるために食物を摂取する。 <Eocapnia yezoensis エゾユキクロカワゲラ 上ノ国町産> 左:♂(体長8〜10mm) 右:♀(体長11〜12mm) 肛上板基部の柄が長い。 中胸腹板刺状板に長い腕状節片を持つ。 <Eocapnia sp.1 八雲町産> 左:♂(体長5〜8mm) 右:♀(体長7.5〜9mm) 肛上板の柄がない。 <Eocapnia sp.2 札幌市産> ♂(体長6〜7mm) ♀(体長7.5〜9.5mm) 肛上板の柄が短い。 中胸腹板刺状板に腕状節片を持たない。 ♂ 「氷河期の生き残り」と言われているが、珍しい種類ではなく、生息地では複数見られることが多い。 体色が黒いので雪の上だとかなり目立つ。 撮影日:2007/4/7 撮影場所:伊達市 ♀ 植物の破片のようなものを食べている。 撮影日:2010/3/18 撮影場所:札幌市 |
ユスリカの死骸を食べている雌。 |
食事中の雄。 雌と比べて小型で腹部が細い。 |