北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Alpinanoplophilus matsumotoi カマドウマ科 |
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<特徴・生態> 山地に生息。 分布は局地的で、道北と利尻島に分布。 体色は赤褐色〜黄褐色で、点列状の淡黄褐色斑紋を有するか背板両側などが黒褐色を帯びる。 雄の前胸背板は平らで、1〜2対の浅い窪みがある個体がある。 尾肢は黒褐色で真っ直ぐ、若しくは内側か上側にわずかに曲がる。 (写真上の個体は雄) クチキウマ類の越冬は、朽木内や谷部斜面の伏流水が僅かに染み出る礫層の隙間で行う。 複数一ヶ所に集まって越冬し、幼虫と成虫はそれぞれ分かれて越冬する傾向にある。 また成虫も雌雄それぞれ分かれて越冬する傾向にある。(幼虫は雌雄混合) 越冬幼虫のサイズ(齢)が全ての越冬集団で同じ(体長11〜12mm)であるため、産卵は短く定まった期間と考えられ、孵化した幼虫が越冬し、翌年、羽化し成虫となって2度目の越冬する2年1化の生活史であると思われる。 写真の個体は、雪が残る山地の谷部で、越冬していた個体を掘り出した。 夕張山地でも分布確認しているので、石狩低地帯以東(石狩山地・天塩山地・夕張山地)が分布域であると思われる。
♂成虫側面 ♀成虫側面 産卵器は赤褐色で、幅広く、上に反る。 下片の鋸歯の数は通常8 |
♂成虫前胸背部 前胸背板は平らで、1〜2対の浅い窪みがある。 |
♂成虫頭部正面 |
♂尾肢上面 尾肢は黒褐色で真っ直ぐ、若しくは内側か上側にわずかに曲がるのが特徴。 |
♂尾肢下面 |
♂尾肢側面 |
礫層の隙間で越冬していた幼虫 |
♂幼虫側面(体長11mm) 撮影日:2013/11/18 撮影場所:夕張市 |
♀幼虫側面(体長11mm) 撮影日:2013/11/18 撮影場所:夕張市 |