北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

アイヌハンミョウ
Cicindela gemmata aino
ハンミョウ科
分布
北海道・本州・四国・九州
体長 16〜17mm
環境省レッドリスト 準絶滅危惧(NT)
北海道RDB 絶滅危急種(VU)
備考
撮影日
2013/5/25
撮影または採集地 平取町

<特徴・生態>
中流域の河原に生息。
北海道での生息地は数ヶ所と局地的。
アイヌの名はあるが、本州〜九州にも分布している。

体色は赤銅色で、上翅には白色の斑紋がある。
体の下面は、緑青色の光沢を持ち、白色の剛毛に覆われる。
同サイズのミヤマハンミョウやニワハンミョウと似ているが、本種(♂)の大顎先端は、先が幅広くヘラ状であるのが特徴で同定の目安となる。

成虫・幼虫ともに肉食で、昆虫等を捕食する。

草本がまばらに生える日当たりのよい砂地や小石の攪乱される環境を好む。
近づくとハチのようにブーーンと羽音を立てて低空飛行で逃げるが、他のハンミョウよりも飛行距離が長く、目視で追っても途中で河原の色と同化してしまい見失う事が多い。


川岸の護岸等の環境の変化により、生息地が減少してきており、
北海道RDBでは絶滅危急種(VU)に選定されている。


晴れの日は活発で警戒心が強く、近づいて撮影する事が困難。
慎重に少しずつ背後から近づくのがコツ。飛んで逃げられたら近くに降り立つ個体を除いては、追っても見失うので深追いしない方がよく、諦めての個体を狙った方が効率的。
付近にはアリも多く、おもむろに捕獲して食べている姿を観察することができた。
撮影日:2012/5/24
撮影場所:平取町



気温の低い日や雨の日は、流木や石の下に潜んでいる。
ほとんど動くことはないので、撮影も採集も容易となる。
撮影日:2013/5/25
撮影場所:平取町



一つの石の下で13個体が集まって潜んでいた。
撮影日:2013/5/25
撮影場所:平取町



撮影日:2013/5/25
撮影場所:平取町



撮影日:2013/5/25
撮影場所:平取町




雄は、前脚の「ふ節」がやや太く、長い。


雄よりやや大型となる。


左:♀ 右:♂


雄の側面


雌の側面

雄の頭部正面


雌の頭部正面


雄の大顎先端は尖らず、へら状となるのが特徴

裏面
左:♂ 右:♀


生息地の河原

川側の裸地より、草地との境界付近に集まっていることが多い。
コニワハンミョウと混生していたが、好む場所が異なるようで、棲み分けされているように感じた。

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