北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Trechiama (Trechiama) kuzunetsovi オサムシ科 |
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<特徴・生態> 自然度が高く、冷涼な気候の土壌より下層の地下浅層と呼ばれる層に生息する特殊なゴミムシ。 高い湿度で、粘土質を含む空隙が多い岩盤・礫層を好む。 体色は色素を失い赤褐色(飴色)となり、皮膚は薄く軟らかい。 地下生活に適応しているため複眼や後翅は退化しており、代わりに触角や体表に感覚毛が発達している。 メクラチビゴミムシの仲間は特殊環境に生息しているため地域ごとの個体群が隔離され、狭い地域で固有種が種分化している。 本種は北海道夕張市紅葉山を基産地とする。 写真の個体は雄。 メクラチビゴミムシが好む地下浅層は、低温(10℃ほど)かつ多湿で一年中安定しているが、食べ物が乏しいため厳しい環境であると思われる。 同じ場所には、エゾガロアムシ、ナガコムシ、トビムシ、クモの一種、小型のムカデなどが生息しているが個体数は少ない。 メクラチビゴミムシの中では大型種。 撮影日:2010/9/2 撮影場所:夕張市紅葉山 動きは俊敏で、忙しなく動き回る。 撮影日:2010/9/2 撮影場所:夕張市紅葉山 複眼は退化している。 体表に長い感覚毛がある。 |
♂ 撮影日:2009/10/23 撮影場所:夕張市紅葉山 体長7mm |
♂ 撮影日:2010/9/2 撮影場所:夕張市紅葉山 体長7mm |
♀ 撮影日:2010/9/2 撮影場所:夕張市紅葉山 体長6mm |
V字谷の脇にある斜面 少し湿った粘土質を含む礫層をスコップや手鍬で丁寧に探すと見つかる。 伏流水がわずかに染み出ている崖(法面)やガレ場付近がポイント。 空隙の多い地中(層)を好むが、隙間が広すぎてもいけなく、メクラチビゴミムシがやっと通れるような隙間が適しているようで、岩盤の割れ目に潜んでいる事も多い。 ナガコムシが出てくる環境が目安。 今回見つけた場所は、写真中央付近の丸い小石が積み重なった層で、深さは地表から50cmほど。 これより下の層には、わずかに伏流水が染み出ている。 |