北海道生物図鑑 管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。 |
Hemicarabus maeander paludis オサムシ科 |
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<特徴・生態> 低湿地周辺の草原に生息。 分布は局地的。 体色は黒色で主に赤銅色〜金銅色を帯びるが、緑色や黒色を帯びる個体もいる。 前胸背板は幅広くて短い。上翅には条線と紡錘形の隆起列が顕著に現われる。 セアカオサムシに似た感じがある。 幼虫、成虫共に鱗翅目の幼虫やカタツムリなどを捕食する。 成虫で越冬し、春に交尾をして産卵する。 近年、大雪山高根ヶ原のパルサ湿原で別亜種タカネセスジアカガネオサムシHemicarabus maeander nobukii が記録された。
上段は♂、下段は♀ 全て同じ産地だが、体長、上翅の膨らみや幅、前胸背板の形に若干の違いがある。 写真の個体はPTによる採集。 |
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<越冬> 成虫で越冬し、土中や朽木内で行う。 主な越冬場所は、雪解け時に水没することがない土盛りや斜面の上部で、軟らかな土質を好む。 湿原性のオサムシであるため、谷地坊主内も越冬の可能性があるとして探してみたが、谷地坊主の表面は根がびっしりと張っており、入り込むのが困難なため不向きのようです。(ほとんどの谷地坊主内には湿地性のアリが営巣しているのも選択されない原因かもしれない) |
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土中で越冬していた個体 撮影日:2010/12/8 撮影場所:苫小牧市 |
土中で越冬していた個体 撮影日:2010/12/8 撮影場所:苫小牧市 |
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♂ |
♀ |
産卵された卵は白色で、3.5mm×1.5mmの楕円形。 まとめて産卵せず、一つずつ土中に産み付けられる。 小型のオサムシだがオオルリオサムシと同じ程の大きさの卵を複数産卵する。 |
孵化した幼虫(飼育下) |