北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

フジミドリシジミ
Sibataniozephyrus fujisanus

シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科
分布
北海道・本州・四国・九州
開張 30〜36mm
環境省レッドリスト
北海道RDB
備考 日本固有種
撮影日
2011/5/8(飼育下での羽化日)
撮影または採集地 今金町(卵採集場所)

<特徴・生態>
山地に生息。
幼虫の食樹であるブナが生える山奥(原生林)で見られる。
北海道の分布域は、ブナの北限と同じく渡島半島(黒松内町辺り)までの分布となる。
雄の翅表面は光沢のある青色。雌は黒褐色。
裏面は地色が灰白色で、前後の翅には太い白帯があり、その両側は黒帯で縁取られる。

成虫は主に夕方活動する。
卵で越冬する。


写真の個体は、早春に採卵し、室内飼育で孵化させた。
ブナの冬芽は芽吹くと成長が早く、枝を切って水差しで容易に育てることができるので、野外に葉のない時期でも餌の管理がしやすい。
しかも幼虫は成長が早く、短期間で羽化するので飼育もしやすい。



表面♂

裏面♂



<越冬卵>

細枝の葉痕に産卵(孵化後の殻)


ブナの枝の股に産卵

卵拡大
成虫は小型の割りに卵は大型。

<越冬卵について>
探索難易度 ★★
魅力度 ★★★
卵の特徴 白色で、マスクメロンのような網目がある饅頭型。大型。
食樹 ブナ
高さ 中位置
産卵場所 枝に1個ずつ産み付ける。
備考 ブナに産卵するゼフィルスは本種のみなので、卵の特徴が分からなくても判別は容易。
若い赤褐色の細枝以外にも、やや太目(径5〜10mmほど)で白っぽい枝の股にも産み付けられることが多い。
太目の枝股には同場所に2個あることが多い。(同じ個体が産み付けたものかは不明)




<幼虫〜蛹>
(室内飼育下なので蛹化までの期間は野外の個体と異なる可能性あり)

孵化直後の卵の殻


孵化直後の初齢幼虫

孵化2日後


孵化9日後(7mm)

孵化9日後(7mm)


孵化15日後(15mm)終齢幼虫
成虫は小型の割りに幼虫は大きく成長する。
成長も早く、幼虫期間が短い。


孵化15日後
地上に降り、落葉などで蛹化準備に入る。


孵化15日後(前蛹)

蛹(蛹化直後)


蛹(蛹化13日後)
羽化が近づくに従い、黒化していく。


蛹(蛹化14日後)
羽化直前で全体的に黒化した。(同日羽化)

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