北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

クモマベニヒカゲ
Erebia ligea rishirizana

タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科
分布
北海道・本州(中部山岳地帯)
開張 約40mm
環境省レッドリスト 準絶滅危惧(NT)
北海道RDB 希少種 (R)
備考 北海道固有亜種
撮影日
2010/7/26
撮影または採集地 上士幌町

<特徴・生態>
亜高山帯に生息。
北海道では利尻岳、大雪・十勝山群の亜高山帯に局所的に分布している。

体色は地色が黒褐色で、前後翅に赤色の斑紋があり、その中に眼状紋または黒色斑紋が並ぶ。
後翅裏面には、赤色斑紋の内側に白色の帯状斑紋があるのが特徴。
ベニヒカゲに似るが、後翅の赤色斑紋と帯状斑紋の有無で区別できる。(本州産のベニヒカゲには後翅にも赤色斑紋がある)

成虫の発生時期は7〜8月。
1年目は卵で越冬、2年目は幼虫で越年、3年目に成虫となる。
幼虫の食草はカヤツリグサ科のホンモンジスゲ、タニスゲ、イネ科のイワノガリヤスなど。

日本産は北海道亜種Erebia ligea rishirizana と本州亜種Erebia ligea takanonis の2亜種に分類される。いずれも日本固有亜種。


ウスバキチョウのような高山蝶より低標高に生息するが、産地が限られるために容易にお目にかかることはできない蝶で、ベニヒカゲよりも気品を感じた。
撮影場所は、意外にも車通りの多い道路脇で、普通に見かけることができた。
この撮影場所から少し標高を下げると全く確認できなかったことから、おそらく生息限界の標高かもしれない。


後翅裏面には白色帯状斑紋が明瞭。
撮影日:2010/7/26
撮影場所:上士幌町


表面

裏面

inserted by FC2 system