北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

シロオビヒメヒカゲ
Coenonympha hero

タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科
分布
北海道
開張 30〜34mm
環境省レッドリスト
北海道RDB 札幌周辺亜種は絶滅危機種 (Cr)
備考 札幌周辺亜種は北海道固有亜種
撮影日
2009/6/6
撮影または採集地 千歳市

<特徴・生態>
平地〜山地の草原、道路の法面など食草のある明るい環境に生息。
日本では北海道のみに分布。
翅は全体的に褐色で、後翅裏面には蛇の目模様(中心から白→黒→オレンジ)が7つ並び、その内側に白帯があるのが特徴。前翅裏面にも小さな蛇の目模様が0〜2個ある。

幼虫の食草はヒカゲスゲ・ヒメノガリヤスなどイネ科で、3齢幼虫で越冬する。


写真上の個体は北海道東部亜種Coenonympha hero latifasciata で個体数は多い。
草地をゆるやかに飛翔し、よく葉上などに止まるので、撮影がしやすかった。
警戒心も低いようだ。


撮影日:2010/7/26
撮影場所:上川町


翅を傾けて日光浴
撮影日:2013/6/19
撮影場所:千歳市


白帯がとても太い個体
撮影日:2013/7/17
撮影場所:日高町



シロオビヒメヒカゲ(北海道東部亜種)表面


シロオビヒメヒカゲ(北海道東部亜種)裏面


シロオビヒメヒカゲ(札幌周辺亜種)表面

シロオビヒメヒカゲ(札幌周辺亜種)裏面

<札幌周辺亜種Coenonympha hero neoperseis
豊平川上流域の崖に局地的に生息し、個体数も極めて少ない。
後翅裏面の白帯の幅が北海道東部亜種より狭いのが特徴。
また、本亜種は非常に敏捷に飛翔する。(この特性は生息環境と個体群密度が低いことが原因の可能性があるらしい)

乱獲などによって、近年急速に個体数が減少している上、道路の法面の芝を食べながら北海道東部亜種が西へ分布域を拡大しているため、札幌周辺亜種の純血性が失われる心配がある。
北海道レッドデータブックでは絶滅危機種 (Cr)に選定されている。

白帯が細い札幌周辺亜種
撮影日:2009/7/7
撮影場所:札幌市


白帯が太い「異常型」と思われる札幌周辺亜種
撮影日:2009/7/7
撮影場所:札幌市

札幌周辺亜種
撮影日:2010/6/28
撮影場所:札幌市


シロオビヒメヒカゲ(北海道東部亜種)幼虫
撮影日:2008/9/1
撮影場所:千歳市

食草を食べるシロオビヒメヒカゲ(北海道東部亜種)幼虫

シロオビヒメヒカゲ(北海道東部亜種)幼虫
頭部アップ

inserted by FC2 system