北海道生物図鑑
管理人が自然探索の際に出会った北海道の生き物の生態写真を図鑑的な写真集としてまとめております。

オオムラサキ
Sasakia charonda charonda

タテハチョウ科コムラサキ亜科
分布
北海道・本州・四国・九州
開張 75〜88mm
環境省レッドリスト 準絶滅危惧(NT)
北海道RDB 希少種
備考
撮影日
2010/7/15
撮影または採集地 札幌市

<特徴・生態>
低山地に生息する大型のタテハチョウ。
北海道の分布は極めて局地的で、北限は石狩市浜益、東限は栗山町。
雄の翅表面は、美しい青紫色の光沢があるのが特徴。
雌は雄よりやや大型で、翅表面には青紫色の光沢がなく地味。
翅裏面は雌雄共に大きな差はない。

樹上を高速でびゅんびゅん飛び回り、占有行動をとる。
力強く飛翔し、目の前を横切った時に、鳥の羽ばたきのような「バサバサ」と音が聞こえるほど。
なかなか下へ降りてこないが、暑い日は吸水のために地表に降りてきたり、樹液にも集まる。

北海道での幼虫の食樹はエゾエノキ。
幼虫で越冬し、翌年羽化する。

日本の国蝶とされているが、日本特産種ではない。
人気種なので、採集圧が高い。


吸水する♂
撮影日:2010/7/15
撮影場所:札幌市



羽化直後の個体♂
野生の個体は激しく飛び回るので、翅が欠けたものや鱗粉が剥げ落ちてしまったものが多いが、写真の個体は飼育個体なので翅は完全で美しい。
むやみに成虫を採集しないで、幼虫を数個体採集〜飼育し、羽化させる方が効率よく完品を得られるのでオススメです。
食樹の確保ができるなら、室内飼育で冬に羽化させる事も可能。


羽化直後の♂

羽化直後の♂



♂表面


♂裏面


♀表面


♀裏面
北海道産は本州以南の個体と比べ、翅表の明色斑や裏面が黄色く、小型となる。


<卵>
エゾエノキの細枝にまとめて産卵する。

撮影日:2011/7/28
撮影場所:札幌市

<初齢幼虫>
頭部は黒く、特徴である角はまだない。

撮影日:2010/8/17
撮影場所:札幌市

並んで静止ポーズ
撮影日:2010/8/17
撮影場所:札幌市

<2齢幼虫>
一番角が発達している時期ではないでしょうか。

撮影日:2010/8/17
撮影場所:札幌市

撮影日:2010/8/17
撮影場所:札幌市

<3齢幼虫>
寒くなると少しずつ褐色を帯びて、越冬準備に入る。

撮影日:2010/10/19
撮影場所:札幌市

撮影日:2010/10/19
撮影場所:札幌市

<越冬幼虫>
晩秋になると幼虫はエゾエノキから降り、根元付近に溜まった落葉で越冬。
体色は緑色から褐色に変化する。
北海道では3齢で越冬。体長は約15mm

撮影日:2009/11/13
撮影場所:札幌市


撮影日:2009/11/13
撮影場所:札幌市


撮影日:2009/11/13
撮影場所:札幌市

撮影日:2011/5/24
撮影場所:札幌市

<4齢幼虫>
脱皮し、成長するにつれ、頭部の割合が小さくなっていく。
体長は約25mm

大きくなってもこの静止ポーズは変わりません。
撮影日:2010/5/12(飼育個体)


撮影日:2010/5/25(飼育個体)


撮影日:2010/5/25(飼育個体)

撮影日:2010/5/25(飼育個体)

<終齢幼虫>
主に6齢幼虫。

撮影日:2010/6/21
撮影場所:札幌市


撮影日:2014/6/24
撮影場所:札幌市

蛹化前なので、むちむちぷりんな体型。
撮影日:2010/6/21
撮影場所:札幌市

<前蛹>

撮影日:2014/6/24
撮影場所:札幌市

撮影日:2014/6/24
撮影場所:札幌市

<蛹>
蛹化直後は瑞々しく透き通るような緑色で、
羽化が近くなると、黒ずんでくる。

<羽化>

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